2004 Fiscal Year Annual Research Report
国境を超えて連携する市民社会組織の役割と影響力に関する実証分析
Project/Area Number |
16530160
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
菅原 秀幸 杏林大学, 総合政策学部, 助教授 (30255418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 誠久 杏林大学, 保健学部, 助教授 (80152726)
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Keywords | グローバリゼーション / 市民社会 / CSO / NGO / NPO / 市民社会組織 / 影響力インデックス |
Research Abstract |
グローバリゼーションの進展によって、地球レベルでの「市場の失敗」、「政府の失敗」が顕著になるにつれ、国境を越えて連携する市民社会組織の果たす役割の重要性が認識されるようになっている。とはいえ、市民社会組織がどの程度の影響力を及ぼしているかについての研究は皆無であり、現段階では、事例分析と理論的に研究に終始している。 インタビュー調査によって明らかになったことは、市民社会組織に関わる実務者、研究者共に、その影響力の定量的分析の重要性と必要性を強く認識しているが、その具体的な方法を見いだす段階には至っていないということである。このことから、本研究の方向性の正しさと意義の大きさを確認することはできた。とはいえ、分析対象としての市民社会組織の多様性のゆえに、いまだ有効なフレームワークの構築には多くの困難が伴っており、さらなる研究の進展が待たれている状況である。 このような状況下で、影響力測定の研究に取り組んでいる研究者、実務者との間にネットワークを構築することができたので、今後はその活用を通して、世界全体の研究動向の把握が可能になると期待される。 これまでの本研究では、先行研究の徹底的なサーベイとインタビュー調査を通じて、4次元フレームワークの構築を試みてきた。つまり、国家、市場、国際機関、市民社会を4つの主要アクターとするもので、それらアクター間の相互の影響力を、アンケート調査に基づいて定量化し、perception-based indexを作成しようと試みている。 現段階では、予備的調査のためのアンケート調査を実施中であり、今後この解析結果に基づいて、最終的な分析モデルを構築する。その後に、本調査となるアンケート調査を実施して、最終的に市民社会組織の影響力インデックスを作成し、影響力の定量化を行う。
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