2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530168
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
高木 一郎 九州東海大学, 応用情報学部, 教授 (90226746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 稔 神戸大学, 工学部, 助教授 (70207215)
松田 晴英 九州東海大学, 農学部, 講師 (00333237)
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Keywords | 複雑系数理経済 / 国際経済数理モデル / 労働力の国際移動 / 自己組織化現象 / 新古典派経済成長モデル / マスター方程式 / フォッカー・プランク方程式 / 非線形偏微分積分方程式 |
Research Abstract |
論文"The Fokker-Planck equation and the master equation in the theory of migration"(IMA Journal of Applied Mathematics, vol.69)においては、国際間の人口移動に必要なコストが十分に大きい場合に、人口移動理論におけるマスター方程式の解が、Fokker-Planck方程式の解に非常に近いことを証明した。ここでは、クラマース・モイヤル展開の収束の厳密な数学的証明が高次項では困難であるが、有限の展開を試みることにより証明が可能となった。また、掲載を受理された論文"A mathematical model approach to geographic mobility in the past and the present"(Geographical Analysis)では、人口移動の過去と現在においては本質的な相違点があることを指摘し、Weidlich-HaagとHotellingの人口移動理論の整合性を証明した。このことにより、一方の理論で得られた数値計算結果を他方の人口移動理論に応用することができるようになった。さらに、投稿中の論文"A close similarity between diffusion of biological particles and geographic mobility of human population"(Series B of Nonlinear Analysis)では、ある地域の経済的な有利さを表す効用関数がagent密度の線形関数と二次関数との場合について、人口移動現象を記述するAgent-based Modelを構築した。これは、"国際経済における複雑系数理経済モデル"の人口移動現象を表すマスター方程式にミクロ経済学的基礎を与えることができる。これにより、時間変数とAgentの総数が無限大になった場合に、モデルがどのような漸近挙動をするのかを検証し、定常状態に確率密度収束するかを確認できるようになった。
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Research Products
(2 results)