2005 Fiscal Year Annual Research Report
プログラム評価のための計量的手法の応用-日本の家計個票データを用いた分析-
Project/Area Number |
16530174
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
井伊 雅子 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50272787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
縄田 和満 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00218067)
澤田 康幸 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (40322078)
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Keywords | 政策評価の計量分析 / 消費オイラー方程式 / 予備的貯蓄 / 流動性制約 |
Research Abstract |
本研究では、日本の家計調査の個票データ(消費生活に関するパネル調査)を用い、家計の行動や厚生水準にどのような影響を及ぼしているかを基準として、日本における様々な政策評価の計量分析を行うことを目的とした。特に、1997年前後の消費税変更などの政策変化とともに、マクロ経済的な環境変化が家計の厚生水準にどのような影響を及ぼしているかにつき、プログラム評価の手法(タイプ5トービットモデル)を用いて計量経済学的に分析した。具体的には、Dynan (1993) Journal of Political Economyの論文に基づいて、消費オイラー方程式から予備的貯蓄の構造パラメータを推計する手法を拡張したLee and Sawada (2005) CIRJE Discussion paper(東京大学経済学部)の方法を用い、経済環境に従って、流動性制約に直面する家計と、そうで無い家計の二つのグループのオイラー方程式を、タイプ5トービットモデルで推計した。計測結果によると、流動性制約に直面している家計はより予備的貯蓄の動機が強いということがわかった。分析結果は,Discussion paperとしてとりまとめ、学術雑誌に投稿される予定である。また、本研究で開発されたミクロデータ分析手法・モデルを用いて、関連する分野の応用研究を行ったが、これらのうち数本が平成17年度中に国内外の学術雑誌に掲載済み、または、掲載決定済みとなっている。
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Research Products
(7 results)