2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本が締結する自由貿易協定の相手国の最適な順番、締結時期及び形態についての研究
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16530190
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
阿部 一知 東京電機大学, 工学部, 教授 (60339067)
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Keywords | 自由貿易協定 / 一般均衡モデル / アジア経済 |
Research Abstract |
本研究は、日本が今後、自由貿易協定(FTA)の相手国を拡大していくに当たり、どのような相手国の順番で、どのような時期に、どのような内容・形態のFTAを締結していけば経済的に最も利益が大きく、調整コストが小さくなるかを、一般均衡モデルなどの経済モデルを使用して明らかとすることを目的とする。このため、16年度においては、以下の3点の研究を行った。 (1)既存の一般均衡モデルや経済モデルに規模の経済、非線形性、経路依存性などを反映するモジュールを追加。それらの理論的妥当性とモデルの操作可能性を検討。 (2)産業調整に伴う資本・労働の調整過程における調整コストを経年比較することを目的に、モデルに動学的な収束計算方法を導入。FTAの順番により調整コストに差異が出ることを確認。ただし、その差は小さく、これらが有意なものであるかどうかさらに検討が必要。 (3)FTAより更に進んだ関税同盟の効果分析。 具体的な作業として、以下の項目を実施した。 1.準備作業としてデータ・文献の収集・整理、シミュレーション用の高性能のパーソナルコンピュータの導入。 2.検討可能なFTAのシナリオの設定(日本の相手国として、ASEAN諸国、中国、韓国を想定。それらの順番で3ケース程度を設定。協定の除外品目についてさらに検討が必要)。 3.統計データの収集・推計と暫定的なFTAのシミュレーション。 上記2のシナリオ作成のため、中国に海外出張し、政府関係者と面談、情報収集した。
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