2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530196
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松下 敬一郎 関西大学, 経済学部, 教授 (50135620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一圓 光彌 関西大学, 経済学部, 教授 (20124399)
徳常 泰之 関西大学, 商学部, 助教授 (20340648)
佐々木 勝 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10340647)
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Keywords | 少子高齢化 / 世代重複 / ライフサイクル / 社会保障 / 私的年金 / 就業行動 / 生活設計 |
Research Abstract |
世代間の自立・協力・公正という経済学的視点が、日本の少子高齢化社会の動向を理解するために重要であることを示すために、家計内および家計内外間における世代間の富の移転について、世代重複とライフサイクルを軸にして、その必然性や機能を明確にした。実証研究の一部として、一橋大学の「学術研究のための政府統計ミクロデータの試行的提供」に参加し、全国消費実態調査を再集計し、年齢各歳の所得プロフィールおよび子どもの有無別の年齢別貯蓄について分析した。 現在の少子化は0子を選択する人口の増加であるという特徴をもち、端点における無差別曲線の傾きの分布について特定の仮定をおくことにより、所得効果が小さいことと直接費用および機会費用の増加が0子選択の増加をもたらすことを示した。養育費用を大きく軽減しない限り、少子化対策の効果は限定的である。人口が減少することにより継承資産をもつ人口割合が増加すると、出生力が回復することを示した。また、機会費用の大部分は固定費用と考えられ、子供を養育するという家計内生産の費用面でパリティー別にみられる特殊性について研究を進めた。 社会保障制度の改変が個人のライフサイクル、世代間の所得分配の格差、および公的な所得の再配分に与える影響、高齢化する労働市場において技術進歩および人的資本投資が年齢別人口およびコーホートに与える影響、私的年金市場および保険市場の発展がライフサイクルに与える影響、中高年パネル調査(ニッセイ基礎研究所)を用いて、就業・所得・健康の変化が中高年男性の不安意識に与える影響について分析した。
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