2004 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な社会の実現に向けた環境パートナーシップの形成と組織変容過程
Project/Area Number |
16530245
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
涌田 幸宏 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (30255020)
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Keywords | 環境パートナーシップ / NPO / 組織間学習 / 信頼の創造 / 組織間対話 / 境界連結機能 / 社会的ネットワーク / 持続可能な社会 |
Research Abstract |
本研究は、持続可能な社会システムの実現に向けて、企業がいかにしてNPOや行政、一般市民等と環境パートナーシップを形成し、それを通じて組織行動をどのように変容させていくのかについて、理論モデルを構築し、実践的な提言を行うことを目的としている。より具体的には、(1)多様なステークホルダーとのパートナーシップの形成、(2)それを通じた組織の変容、(3)持続可能な社会の構築のためのイノベーション、という3つのプロセスを解明する。 以上の課題を解明するために、今年度は、環境パートナーシップの事例として、日本電気とNPO「環境文明21」との環境報告書共同作成のプロセスについて調査を行った。同時に、本事例を分析する上での理論モデルの構築も試みた。環境パートナーシップが形成され、進化するためには、組織間学習が適切に行われる必要があり、その重要な要件として、組織間対話と組織間信頼の創造に着目した。また、パートナーシップの成果を組織内に普及させ、組織変容をはかるためには、パートナーシップを形成する境界連結単位の社会的ネットワークに注目する必要がある。今回の調査では、日本電気の環境推進部が境界連結機能を果たし、人材の多様性を広げ、豊かな社会的ネットワークを形成していることが判明した。今後は、様々な企業の調査を通じて、環境パートナーシップを主導する境界連結機能、とりわけその社会的ネットワークのあり方を解明していく予定である。なお、今年度の成果をもとに、オフィス・オートメーション学会第49回全国大会(久留米大学)で研究発表を行った(報告論題「NPOとの連携を通じた環境経営の進化〜NECにおける「ITと環境」を事例として〜」)。
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Research Products
(1 results)