2006 Fiscal Year Annual Research Report
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16530250
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
桑原 哲也 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (20103723)
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Keywords | 多国籍企業 / 組織能力 / 国際人的資源管理 / 後発的参入 / ブランドマネジメント / エクスパット / 日本市場からの撤退 / 日本市場への再進出 |
Research Abstract |
第二次世界大戦後、多数の多国籍企業の対日直接投資が見られた。世界の最大500社にはいる外国企業で対日投資を行った企業は、1930年時点の29社(外国企業合計の6%)から1967年には133社(同29%)、2002年には174社(同44%)へと増加していった。こうした多国籍企業は、日本市場において予想以上の日本企業の競争力に直面した。そうしたなかで、多国籍企業の間で日本市場をめぐる行動には、非常に大さな多様性がみられた。1967年時点の133社のその後の動きを追跡すると、比較的順調にリーディイング企業としての地位を打ち立てる企業、長い試行錯誤の跡で地位を確立した企業にたいして、不振ゆえの撤退を余儀なくされた企業、キャピタルゲイを求めて持分を売却した企業、製品のライフサイクルが成熟期に入ったのを見届けて投資を回収した企業がみられた。これは、多国籍企業の日本投資の成果が、日本におけるそれら各企業による組織能力の構築の成否によるものであることを示唆している。 こうした観点に基づいて、代表性がある食品多国籍企業をとりあげて、その歴史的調背景と個別企業の事例研究をおこなった。 目次構成は次のとおりである。 1、多国籍企業の対日直接投資についての歴史的展開の全体像 2、多国籍企業の対日進出と組織能力の構築-高度成長期のゼネラルフーヅー 3、多国籍企業の対日進出と組織能力の構築-高度成長期のネスレー 4、多国籍企業の対日進出と組織能力の構築-高度成長期のコカコーラー 5、日本市場へ後発的に参入した多国籍企業の経験-ユニリーバ、1964〜2000年 6、多国籍食品企業の多国籍企業の対日進出と組織能力の構築に関する比較的経営史的分析-ゼネラルフーヅ、ネスレ、コカコーラー、ユニリーバ
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