2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本、米国およびドイツにおける成果主義賃金制度の国際比較研究
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16530251
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Research Institution | MOMOYAMAGAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
正亀 芳造 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (50126497)
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Keywords | 成果主義賃金 / 査定 / 賃金制度 / 人的資源管理 / 日本:アメリカ:ドイツ |
Research Abstract |
本年度は、成果主義賃金関係の文献収集を継続するとともに、収集した資料・情報の分析を進めた。そして、その研究成果の一部としてドイツにおける成果主義賃金に関する論文を研究紀要に発表するとともに、日本経営学会関西部会7月例会において「ドイツにおける成果主義賃金-日・米・独3カ国比較の視点から-」のテーマで報告を行った。 1.第1の研究目的である日・米・独3カ国における成果主義賃金制度の概念とその諸形態に関しては、次のことが明らかになった。 (1)成果主義賃金の概念(日本:成果主義賃金、米国:pay for performance、ドイツ:leistungsorientierte Verghtung)に関しては、「賃金の少なくとも一部が個人または組織の業績ないし成果に基づいて決まる賃金」という点で3カ国のそれはほぼ共通している。 (2)成果主義賃金の具体的諸形態に関しては、3カ国間で次のような相違が認められる。日本では職務給を成果主義賃金制度に含めるのに対し、米・独ではこれを含めない。ドイツには、日・米には見られない「標準賃金(Standardlohn)」という独特の形態がある。 2.第2の研究目的である成果主義賃金制度の仕組みと運用実態に関しては、次のことが明らかになった。 (1)ドイツの金属産業では、業績手当と考課制度に関して、労働協約による規制と事業所レベルの従業員代表の強力な関与が制度化されており、ここにドイツの成果主義賃金制度の特徴の1つがある。業績手当と考課制度のこうした協約による規制は、賃金ドリフト部分の協約賃金化を背景に、1960年代末から70年代初めにかけて普及したものである。 (2)米国では、多様な成果主義賃金形態が提唱されているものの、最も普及しているのはMerit payである。ただ、これは、積み上げ方式の考課昇給であり、賃金コストの増加を招く点で企業はこれを問題視している。
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Research Products
(1 results)