2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530290
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中村 博之 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (20217889)
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Keywords | 環境配慮設備投資 / キャッシュ・フロー予測モデル / グローバル設備投資戦略 / グローバル環境戦略 / 環境コスト / ABC / Activity-Based Costing / 環境アクティビティ |
Research Abstract |
本研究は、現代企業において地球規模での問題意識から適用が検討される環境配慮設備投資の意思決定についての研究である。そこで、このような環境配慮設備投資のためにはキャッシュ・フローの予測が極めて重要であることから、そのための必要となるキャッシュ・フロー予測モデルを提示した。ここで、本研究では実践性を重視したモデルを提示するために、国内外の企業実態の把握とそれに基づくモデル構築を目指した。 この企業実務の調査では、日本企業のみならず、世界の工場として重要な地位を占める日系中国企業の実状を調査した。それによれば、近年の設備投資が企業のグローバル化につれて必然的にグローバル設備投資戦略となっていることが明らかとなり、中国企業でも税制や法律面などを考慮してグローバル環境戦略と関連した設備投資を行っていた。日本企業では、一層の環境報告の定着や利害関係者に対する意識もあってか環境配慮設備への投資が推進されていた。そのためには、リサイクルや廃棄物処理コストの削減などを通じて、環境配慮設備投資の真のメリットを追求することで、環境配慮設備の優位性を検討していた。 このような実状から、環境配慮のメリットを考慮した設備投資キャッシュ・フローの予測のためには、従来は製造間接費の中に埋もれていた環境コストを切り分けることが必要となる。このために、本研究では、ABC(Activity-Based Costing)に基づいて、環境アクティビティを明示し、それとの関連でキャッシュ・フローの増減を予測するべきであることを示した。すなわち、設備投資によって環境関連アクティビティがどのように増減し、それによってキャッシュ・フローがどう増減するかという実践的な予測モデルを提示したのである。
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