2004 Fiscal Year Annual Research Report
国際財務報告基準(IFRS)導入に伴うドイツの会計基準監視メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
16530291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木下 勝一 新潟大学, 大学院・現代社会文化研究科, 教授 (40018643)
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Keywords | 国際財務報告基準の導入 / ドイツの会計改革の道 / 企業会計法改革穂 / 会計統制法 / 国際資本市場指向の企業 / 連結財務諸表 / 単独財務諸表 / ドイツの確定決算主義 |
Research Abstract |
平成16年度の研究は、ヨーロッパ連合域内の各国が国際財務報告基準の導入をいっせいに行うことを目標として国内法整備に向かっているなかで、とくに、ドイツの最新の国際財務報告基準の国内法の改革状況を考察した。具体的には、2004年12月に成立した2つの会計改革関連法の「企業会計法改革法」と「会計統制法」の立法過程とその立法動向をめぐる議論を取り上げ、会計改革のドイツの道に関する研究を行った。 本年度の研究では、ヨーロッパの各国が国際財務報告基準の導入を国際資本市場上場の大企業の連結財務諸表に関し、強制適用する方向でドイツ国内法の改正作業が進み、そこでの残された課題が非資本市場指向の企業について国際財務報告基準が適用されるのかどうか、また、加盟国の立法選択権を行使して、ドイツの会計基準設定主体が国際財務報告基準を任意適用できるとした判断した場合に起こり得る課題が何かについて研究を進めた。この研究の過程で、明らかになったドイツの会計改革の論点は、(1)国際財務報告基準が中小企業にも適用されるのか、すなわち、中小企業向けの緩和措置が採られるのか、中小企業向けの特別の会計基準が必要なのか、(2)連結財務諸表の基礎にある単独財務諸表に対しても国際財務報告基準が適用されるのか、(3)単独財務諸表にも国際財務報告基準が適用されるとした場合に、ドイツの債権者保護・保守主義を前提とした処分可能利益計算が国際財務報告基準に置き換えられるのか、(4)ドイツの処分可能利益計算の枠組みを残すとした場合は、単独財務諸表に関し、国際財務報告基準と国内商法基準のダブルスタンダード状況が是認されるのか、(5)ドイツの確定決算主義である商法会計の税務会計に対する基準性原則が放棄され、国際財務報告基準の基準性原則へのパラダイム転換がなされるのか。本年度は、これらの論点について、ドイツの論者の論究を研究した。
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Research Products
(3 results)