2006 Fiscal Year Annual Research Report
国際財務報告基準(IFRS)導入に伴うドイツの会計基準監視メカニズムに関する研究
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16530291
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木下 勝一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40018643)
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Keywords | 国際財務報告基準 / ドイツ会計基準委員会 / 財務報告パネルレヴュー / 公開会社会計監視委員会 / ドイツ金融サービス監督庁 / ドイツ会計基準監視委員会 / エンフォースメント / ドイツ商法会計規範 |
Research Abstract |
本年度の研究は、ドイツの会計制度改革が1998年から2005年への展開過程で起きた商法会計規範の設定と監視(Normsetzung und Normdurchsetzung)のメカニズム形成をいかに図ってきたかを焦点に実施したものである。 本研究によって、ドイツの商法会計規範がヨーロッパ連合加盟国における国際財務報告基準の承認を背景として、国際財務報告基準の国内法化が実現したことが明らかにするとともに、そのためのドイツの国内的制度装置として、「ドイツ会計基準委員会」の設置が会計規範設定メカニズムとして機能する一方で、設定された会計規範・国内法化された国際財務報告基準のコンプライアンス(法令順守)を監視するメカニズムとして、2005年に設置された「ドイツ会計基準監視機関」とドイツ金融サービス監督庁の二段階エンフォースメントの制度装置が史上はじめて設けられたことが解明されている。 本研究によるドイツの二段階エンフォースメントは、イギリスのプライベートセクターとしての「財務報告パネルレヴュー」とアメリカのパブリックセクターとしての「証券取引委員会・公開会社会計監視委員会」の先駆的モデルを融合させたドイツ金融サービス監督庁(パブリック)とドイツ会計基準監視機関」(プライベート)からなるもので、これは、ドイツが会計基準のコンプライアンスの制度装置として国家の監督権限のもとで、イギリス方式の財務報告パネルレヴューの利点を採り入れようとした結果であった。
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Research Products
(2 results)