2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際財務報告基準(IFRS)導入に伴うドイツの会計基準監視メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
16530291
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木下 勝一 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (40018643)
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Keywords | 国際報告基準 / DAX上場企業 / 連結財務諸表 / ドイツ会計基準委員会 / ドイツ商法典第342b条 / ドイツ財務報告エンフォースメントパネル / ドイツ連邦金融サービス監督庁 / 二段階エンフォースメント方式 |
Research Abstract |
最終年度の研究成果として、ドイツ財務報告エンフォースメントパネルによる上場企業財務報告に対する検査状況を公表資料にもとづき検討した。2005年度から2007年度に実施された検査は、各年度の重点項目を軸に、ドイツ財務報告エンフォースメントパネルの第一段階レベルでは、財務報告の誤謬が2007年度検査では、70件の検査事例のうち、21件で誤謬が発見され、30%の誤謬率であった。しかも、中小企業の場合に、誤謬が多いことも判明している。この結果、国際財務報告基準の適用に関し、基準を遵守している企業に対するコンプライアンスのチェック機能が第三者機関であるドイツ財務報告エンフォースメントパネルに今後ますます期待されていることが研究の結果として確認できた。さらに、ドイツ連邦金融サービス監督庁による第二段階でのチェック機能が重要な役割を果たしており、この二段階方式のドイツ型えんフォースメントメカニズムがドイツ上場企業の財務報告実務の国際化対応において、国内的、国際的なコンプライアンス宣言にとって決定的に有意義であったことが分析できた。 このドイツのエンフォースメントモデルの研究から得た知見は、日本における上場企業の財務報告実務に対するエンフォースメントメカニズムの構築に向けた新たな構想に多大な示唆を与えている。
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Research Products
(2 results)