2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業再生のためのコーポレート・ガバナンス、企業戦略、業績評価の総合的研究
Project/Area Number |
16530293
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 達司 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80191419)
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / 企業戦略 / 業績評価 / リアル・オプション |
Research Abstract |
1.本研究は、3年間の研究プロジェクトであり、本年度がその1年目である。従って本年度は、研究文献・資料の収集・整理と研究文献を読むことにより、下記の問題について、どのような研究方法により、どのような主張が行われているかを検討した。調査した学術論文は、主として、Strategic Management Journal, Journal of Accounting and Economics, Journal of Business, Journal of Financial Economics, Journal of Finance等に掲載された論文である。 2.調査した問題とそれによって得られた知見は、次のとおりである。 (1)「日本企業におけるコーポレートガバナンスの変化は、なぜ生じたのか。」 デフレ不況が長く続く中で、株主が企業に対して、投資に見合ったリターンを強く要求するようになった。 (2)「日本企業におけるコーポレートガバナンスと企業戦略との間には、どのような関係があるのか。」 M&A戦略だけをとっても、バブル期のM&Aは事業拡張のためのM&Aという性格をもっていたが、現代のM&AはリストラのためのM&Aという性格をもっている。 (3)「企業戦略と企業業績との間には、どのような関係があるのか。」 事業拡張型の戦略を採用している企業については、企業の安全性を犠牲にして収益性が向上している。一方、事業縮小型の戦略を採用している企業については、企業の収益性を犠牲にして安全性が向上している。これから、次の2つのことが言える。 (1)企業戦略は期待された成果を実現している。 (2)収益性と安全性との間には、トレード・オフの関係がある。
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