2004 Fiscal Year Annual Research Report
「企業統治の会計学」のフレームワークの構築に関する研究
Project/Area Number |
16530300
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今福 愛志 日本大学, 経済学部, 教授 (80059740)
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Keywords | 企業統治 / 内部統制 / 財務報告 |
Research Abstract |
本年度は、研究課題に対してつぎの3つの方向から接近し、一定の成果をあげることができた。 第一に、企業統治(コーポレートガバナンス)の会計が新たな展開をしめしている企業の社会的責任(CSR)にかかる会計(学)のフレームワークを提示した。(拙稿「CSR会計のフレームワークの再構成」(『企業会計』2004年9月)ここではCSRをめぐるイギリスの動向を中心に、企業統治の会計を展開させる契機について明らかにした。 第二に、企業統治をめぐる経営者、投資家関係をフィデュシャリー関係のネットワーク化という観点から、会計情報が作成され、報告されるシステムの連鎖が構築されている点について検討したことである。この観点は、前に科学研究費の研究課題をさらに展開させたものであり、次年度においてさらに明確にする問題である。 第三に、企業統治問題を年金基金のガバナンスに展開させて、企業統治の会計学が対象とすべき新しい領域について検討した点である。これは、OECDの年金ガバナンス指針を研究対象として検討し、この問題に関する手がかりはつかんだと思われる。 以上述べたように、本年度の研究実績は、次年度(終了年度)の研究計画に向けて、検討すべき課題、およびそれらの諸課題への接近の方法を明確にした点にある。
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Research Products
(5 results)