2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530302
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
千葉 貴律 明治大学, 経営学部, 助教授 (30309637)
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Keywords | 環境会計 / エコガバナンス / 企業の社会的責任(CSR) / 持続可能性 / 環境マネジメント |
Research Abstract |
2006年度は、環境会計を、具体的な環境配慮型の企業統治形態(エコガバナンス)に応用・展開するための課題の抽出に取組んだ。 検討モデルとして使用したのは、2006年3月に現地調査を行った中国に進出した日系の中小企業である。かかる企業を対象としたのは、このような企業では、経営資源に余裕のある大企業と違って、厳しい価格競争に晒され、よりいっそうのコスト削減や経済効率、生産効率の向上・改善を求められる一方、日本式の考え方や感性が通用しない中国という文化・企業風土の中で企業存続を図るためには、どのようなかたちでのアプローチが必要なのかを考えることができるからである。いわば、もっとも純粋な形で「経済性」と「環境性」の両立を検討することができ、そこに「エコガバナンス」の観点からする分析がいかなる貢献できるのか、そして、今後のさらなる展開を図るためには、どのような課題があるのかを掘り下げることができるからである。 これらの点については、分析結果を学会発表として報告(日本原価計算研究学会2006年大会「中国進出日系企業における経営理念の再構築」(2006年8月29日))するとともに、これを踏まえて、さらにCSRマネジメントの観点から分析・検討したものを論文「CSRマネジメントに向けてのコスト要因分析」としてまとめた(本年秋に掲載予定)。 他方、金融機関等を中心として、環境配慮企業やCSR推進組織に対して、その活動を資金支援する体制が構築しつつある。環境ファイナンスと呼ばれるこの手法によって、調達された資金の運用成果についての効果性、すなわち環境配慮への有効性の検証が必要になってきている。これらの課題について、エコガバナンスにもとづく環境効率の観点からの指摘をまとめる予定である。
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Research Products
(1 results)