2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境管理会計ツールとしてのマテリアルフローコスト会計に関する研究
| Project/Area Number |
16530312
|
|---|
| Research Institution | Kansai University |
|---|
Principal Investigator |
中嶌 道靖 関西大学, 商学部, 教授 (10227803)
|
|---|
| Keywords | 環境管理会計 / マテリアルフローコスト会計 / 経営工学 / 生産マネジメント / 原価計算 / 管理会計 / 環境会計 |
|---|
| Research Abstract |
環境管理会計ツールとしてマテリアルフローコスト会計(以下、MFCAと記す)が企業実務に普及し始め、実際の企業において環境負荷低減と利益向上を同時に達成するという環境管理会計としての効果が実証され始めている。これまでもMFCAを環境管理会計として有用に活用できるように開発・導入することに携わってきたが、その効果が具体的に見出され始めている。本年度は、これまでの公的なプロジェクトでの協力企業や別途独自にMFCAを取り組んだ企業などの具体的成果を調査すると共に、残されたまたは新たに顕在化した課題を調査・検討することを研究目的として実施した。
その結果、生産形態別のMFCAの類型化の可能性も見出され、これまでの原材料から部材を製造する企業だけでなく、組み立て産業におけるMFCAの実証調査も実施できた。また、資源生産性という観点での原材料の無駄だけでなく、CO2などより広い環境負荷要素・要因の低減をも考慮に入れた発展型のMFCAの開発にも着手することができた。
このように本年度は、企業実務への調査と、文献資料や専門家へのインタビューなどによって課題解決のための経営および工学的知識の蓄積に努めた。また、その成果を学会等でも発表し、学術的視点での検討も深めた。さらに、社会や企業での課題を基礎として、MFCAの新たな可能性を見出すために、MFCAの拡張的ツール開発にも取り組む準備を整えている。来年度の研究成果がより発展的かつ少しでも大きなものとなるように、研究計画を企業との意見交換を通して企画することができた。
|
