2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530320
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鵜飼 照喜 信州大学, 教育学部, 教授 (80045161)
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Keywords | 都市災害 / 土地利用 / 河川管理 / 都市化 / 農地転換 / ボランティア活動 / 防災行政 / 災害対策 |
Research Abstract |
研究期間の2年目に当たる平成17年度は、初年度に調査対象地として設定した、福岡県福岡市の中心街で同地区を流れる御笠川の氾濫による都市水害の被害状況と、愛知県清須市西枇杷島町(旧愛知県西春日井郡枇杷島町)の新川の氾濫による水害被害の調査を続けた。 1.前者の福岡市の調査では、同地区の水害調査を続けている九州大学橋本研究室と研究成果の交流をすすめ、相互の研究発表を行った。本研究代表者は長野県長野市豊野町(旧長野県上水内郡豊野町)の平成11年の水害調査について発表した。 その際、九州大学の研究者の反響は、当時の町の責任者である町長の決断=水害被害を最小限に土留めるための「堤防の開削」に関心が集まった。 他方で、福岡市の水害被害の調査研究の発表については、被災地が人口200万都市の中心部のさらに繁華街であるという立地条件から、被害調査事態の困難さや、被害者同士の横の連携の困難さといった点が浮き彫りにされた。また、第3次産業の企業が集中する繁華街の中でも、企業規模の大小によって、被災後の対策には大きな相違があることが、調査の結果明らかにされ、一種の「被害格差」という状況が生じていることが指摘されたことが、注目される。 2.後者の場合では、被災当時の住民に支援の手をさしのべたボランティア活動の存在が明らかとなり、その状況の把握と関連資料の収集に当たった。また、その資料がかなり膨大であるため、その分析・考察を次年度以降の主要課題として、資料の概要の把握およびボランティア活動の概要の把握に努めた。その資料に関し、次年度以降には次のような視点での分析・考察が必要であると考えられる。1,ボランティア活動構成員の住所・職業等の分析 2,ボランティア団体組織化の経緯 3.ボランティア活動の方法と内容分析 4,ボランティア活動の評価 5.ボランティア団体と地元住民の関係 6,ボランティア団体と地方自治体との関係等である。
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