2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病者の自助グループ活動及び支援活動に関する比較研究
Project/Area Number |
16530329
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石倉 康次 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40253033)
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Keywords | クリスティーン / アルツハイマー / 自助活動 / 認知症 / 夫婦関係 / グループホーム / 自治会活動 / 本人対象講座 |
Research Abstract |
46歳で前頭側頭型痴呆症(認知症)と判断さクリスティーンブライデンさんを2003年に引き続いて訪問し、キャンベラのアルツハイマー協会の活動を視察・調査を実施した。キャンベラのアルツハイマー協会は、その土地柄から高齢者の一人暮らしや高齢者夫婦の比率が高く、認知症の診断を受けて、一人で暮らしているケースも多く、相談の問い合わせも患者本人からの場合が多数だという。そのような条件のなかで、キャンベラのアルツハイマー協会では、認知症と診断された本人や夫婦を直接支援する活動の必要性を早くから認識し実践に移してきたという実績がある。特に注目される活動は三つあった。一つは、クリスティーンの提案で実現した「友達グループ」という活動で、認知症と診断された人自身が週に1回集まり、友人となって半日一緒に過ごす活動、二つめは、痴呆症の診断させた人の家族を対象に組まれた講座を開講しているのだが、通常よく見られるような家族を対象とした講座と別に、本人を対象とした講座を組んで本人と家族それぞれに、基本的な知識を提供していることであった。さらに三つにユニークなのは、夫婦で暮らしている人の一方のパートナーが認知症と診断されると、患者と介護者という関係が濃密になり、夫婦関係が希薄化することがかえって症状を悪化させることに注意を喚起し、一方が認知症になっても夫婦関係を維持できるために必要な支援を合宿方式で実施していることであった。 国際アルツハイマー協会の京都会議の場で、カナダでも認知症と診断された人自身の活動を支えるとりくみがあり、イギリスでは、認知症と診断された人を対象とした支援をおこなうために本人を対象に実施するアンケート調査はいかにあるべきかの検討が進められていることを知り、石倉は日本の尼崎市あるグループホームでは入居者の自治会活動を組織し、生活上の問題点や取り決めを当事者行えるよう支援している活動がなされていることに注目し、国際会議でも発表する支援を行った。
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Research Products
(2 results)