2007 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内海離島出身者の地域移動とネットワーク:地域社会の変容に関する実証的研究
Project/Area Number |
16530346
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
武田 尚子 Musashi University, 社会学部, 准教授 (30339527)
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Keywords | 地域社会 / 瀬戸内 / 離島 / 比較研究 |
Research Abstract |
本年度は,勤務校から特別研究員として英国に派遣されていたため,瀬戸内海の調査地域と英国の地域社会との比較研究を行った。日本の調査地である瀬戸内海の離島(広島県福山市内海町=田島・横島)は20世紀後半に,周辺地域の造船業の好況・不況の影響をうけて,産業構造・就業構造・生活構造が変化した。英国の比較研究対象地は,イングランドの南東部,ケント州に属する離島の1つであるシェピー島である(Isle of Sheppey)。18世紀から20世紀に造船業中心の地場産業が形成されたが,20世紀後半に造船業の衰退にともなって,不平等格差が拡大した。本年度は,この2つの調査地を比較して,第2次産業の衰退が,地域社会,就業構造,生活構造に及ぼす影響の分析のしかた,調査方法について,研究を深めた。地域社会研究データの国際比較を行ったが,その際に英国のUKDA(UK Data Archive)Qualidataに保管されているSheppey Studiesのオリジナル調査データ(1980年代にケント大学教授Ray Pahlが実施)を利用した。比較研究のため,Ray Pahlの研究経歴の意義等についても調査し,論文にまとめた。これらの比較研究を通して,英国における質的調査データの保管,共同利用のありかた,質的調査の2次分析の方法についても,知識と経験を深めた。比較研究の成果について,国際的な学会で学会報告した。
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