2005 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者の自立支援のための環境デザインに関する研究
Project/Area Number |
16530367
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
狩野 徹 岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (00204595)
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Keywords | 認知症高齢者 / ケア環境 / デザイン / 自立支援 |
Research Abstract |
今年度は計画に関わった認知症のケア施設において以下の2点について明らかにした。 (1)個別入浴の提案およびその評価 計画・設計に関わり個別入浴を提案した3施設において、その個別入浴の環境条件と実際の入浴ケアの特徴を把握した。さらに介護職員に対し個別入浴の良い点と課題点についてアンケート調査を通して明らかにした。集団浴と比較して6割以上の職員が個浴のほうが見守りとコミュニケーションがしやすいとしていた。しかし、「心身の疲労度が軽減される」「気持ちに余裕が持てる」という回答は4割未満で、個浴特有の介助負担が職員にあることが明らかになった。職員も1人が入浴専用の担当になることが全体のケアとのバランスがうまくいかないことも問題点としてあげられていた。見守りとコミュニケーションができるという点で認知症高齢者には効果的であるが、職員側の体制がまだ十分ではないことが明らかになった。 (2)逆デイの実態とその効果について 個別的ケアの方法として取り組まれはじめている逆デイサービスについて、利用者へどのような影響と、今後の課題を把握した。先駆的におこなっている逆デイサービス事業について、参加している4人の利用者を逆デイサービス中、逆デイサービス後、普段の施設において10分ごとにその行動や表情、職員の働きかけなどについて観察を行った。また、施設長、施設職員に対してヒアリング調査を行った。その結果、逆デイサービス中には職員の働きかけが増えていること、利用者の笑顔が増えていること、個別的なケアが行え、利用者が落ち着いて過ごしていることが明らかになった。また、今後の課題として、職員の体制の確保、費用の確保などがあることがわかった。
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Research Products
(2 results)