2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境条件からみた痴呆性高齢者の介護に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16530368
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 聖子 岩手県立大学, 社会福祉学部, 助教授 (40305272)
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Keywords | 介護福祉 / 痴呆性高齢者 / 福祉施設 / ケア / 環境 / 統計 / タイムスタディ |
Research Abstract |
研究I【ユニット型特別養護老人ホームケアスタッフの適応過程:新採用者と経験者について】 本研究は、ユニット型特別養護老人ホームのケアスタッフの適応状況について、そのプロセスと特性を明らかにすることを目的に質問紙調査を行った。 調査対象は、同法人の従来型とユニット型特別養護老人ホームのケアスタッフ26人である。時期は、ユニット開設前と開設3ヵ月後、9ヵ月後の3回、反復調査を行った。尺度は、(1)適応指標にバーンアウトと仕事魅力尺度を、(2)適応促進要因に上司のサポートと個人の就業意識、(3)ストレス緩和要因に組織特性と仕事特性尺度を用いた。 結果、新採用者はユニット型と従来型の適応差は殆ど見られず、今後長期的視点での調査が必要である。経験者の場合、3ヵ月後の仕事魅力の有意な上昇と、9ヵ月後の情緒的消耗感(バーンアウト下位尺度)の有意な低下は従来型には見られない特性を示すものである。就業意識・上司のサポートと、適応指標では、ユニット型のみに仕事魅力・個人的達成感(バーンアウト下位尺度)・仕事特性の関連が示された。個人的達成感は、長期に及ぶ適応要因との関連性が示され、従来型とは異なるユニット型の適応過程が明らかになった。 研究II【ユニット型特別養護老人ホームにおけるケアスタッフの介護について】 本調査は、ユニット型特別養護老人ホームにおけるケアスタッフの介護内の現状把握を目的に、観察を行った。調査は、同じユニットのケアスタッフ3人を対象に午前10時〜17時までの7時間、タイムスタディを行い、所定の用紙に記録し分析した(対象ケアスタッフの経験年数はA(8年)、B(5年)、C(5ヵ月)である。 分析内容は、(1)介護の場と滞在時間、(2)介護の場におけるケアスタッフの出入り回数、(3)主なケア内容である。 結果、介護の場における滞在時間数は、経験が多いほどディルームの滞在時間が多く、利用者居室は経験が少ないほど多かった。
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