2005 Fiscal Year Annual Research Report
対応困難な要介護高齢者へのソーシャルワーカーとホームヘルパーの協働に関する研究
Project/Area Number |
16530369
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
嶌末 憲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (80325993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 章吾 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教授 (90317644)
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Keywords | 対応困難事例 / 支援困難 / ケアマネジメント / ソーシャルワーカー / ホームヘルパー / サービス提供責任者 / 協働 / 生活変化 |
Research Abstract |
先行研究や昨年度までの研究成果より,(1)担当事例におけるイメージと要因、(2)最も困難事例の要因と方策,要する時間、(3)利用者の個別性と生活問題、(4)提供責任者とヘルパーとの協働(役割分担と求められる知識・技術)、(5)提供責任者とケアマネジャーの協働(役割分担と求められる知識・技術)、(6)利用者とヘルパーの相互作用(対応困難場面への方策)、(7)ケアマネジメントシステム、(8)現任研修との関連、という8つの分析枠組を設定して検討した。(4)と(5)の協働実践内容の共通項目として、A.方針・役割の明確化と援助展開、B.緊密で適宜適切な連絡調整、C.相互支援の強化、D.危機管理、E.システム上の条件、という4項目が挙げられた。本年度は、昨年度の提供責任者への困難事例への質問紙調査及び記述事例(40事例)について、上記の観点より分析を行った上、14事例を選定し、提供責任者にインタビュー調査を行った。さらに、対応困難の典型例と考えられた3事例については、その経過や援助展開におけるアセスメントなどについて,提供責任者や担当ヘルパー,ケアマネジャー(以下、3職種とする)などへのインタビュー調査を継続的に実施し、協働の実態や課題について質的分析を行った。分析枠組みの(8)の観点を中心に事例検討するため、訪問介護事業所(1カ所)にて対応困難場面シートを現任研修に活用し、その効果について継続調査を行っている段階である。現在までに98の困難場面回答を得ている。 上記の分析枠組みと分析素材を用いて得られた現時点での有用な結論は次の4点であった。(1)悪化予防の見極めや対応のバリエーション、ヘルパーのモニタリング機能が鍵となっていた。(2)事業所、ケアチームとしての理念・価値・倫理の共有が基盤であった。(3)3職種の重要性と負担が明らかとなったが、その支援は十分ではなかった。(4)3職種が各々必要な知識・技術を高め、問題解決に向かうチームアプローチが求められていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)