2005 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護施設間連携を目指す自立支援計画策定のためのサポートシステムに関する研究
Project/Area Number |
16530380
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
北川 清一 明治学院大学, 社会学部, 教授 (50128849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 典子 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (40326799)
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Keywords | ソーシャルワーク / 脱構築分析と再構築 / 自立支援計画 / アセスメント / 内省的思考 / 児童養護施設 / 連携と協働 / 実践の言語化 |
Research Abstract |
「子ども自立支援計画策定サポートシステム:Ver.6.0(完全普及版)」は、平成16年度に作成した「Ver.4」「Ver.4.1」、平成17年度に作成した「Ver.5.0」「Ver.5.1」による試用の成果を踏まえて作成し、本システムの完全実用化を目指した。そのため、「Ver.6.0(完全普及版)」では、システムの機動性・操作性をさらに高めることと併せて、以下の機能を付加した。 (1)プリントアウトした際の文字フォント及び各表の枠組みを構成する罫線を、それぞれ3種類程度に増やし、読みやすさ・見やすさの精度を高めた。 (2)記録の方法のシステムに新機能を付加した。「Ver.4」から、システムの最終段階に、「独立」機能として「業務・育成記録」を設定したが、これを「支援計画課題別表」及び「児童個人記録」に「連結」して活用できるシステムに変更しました。 (3)印刷プレビューの機能を創設した。 (4)「支援計画課題別表」にある「自立支援」「家族支援」のカテゴリーに、現在、制度的に定着した感のある「心理職連携」「家族支援職連携」を増設した。 現在、本システムは、16施設5個人(8都道県)において稼働中であるが、試用を経て、本システムを導入したことによる施設養護展開上の成果と課題が以下のように明らかになった。 (1)児童相談所から送付される「児童票」と連動させながら、「自立支援」「家族支援」を10のカテゴリー(生活関係、発達関係、学校職場関係、家族関係、健康管理、里親関係、他機関連携、心離職連携、家族支援職連携、その他)から検討する方略を立てたことにより、アセスメントの視点の共有化が促進された。 (2)「子ども自立支援計画」と日々まとめる「記録(養育記録)」とを一体化することにより、実践を振り返える視点が明確になった。 (3)施設内LAN(有線)の導入により、データの共有が容易になり、併せて、施設内あるいは施設間の連携を図りながらPC上でのスーパービジョンの展開可能性が高まってきた。 しかし、児童養護施設の実践は、経験と勘、直感に依存する実践から離脱できにくい状況も依然として広範に存在する。本システムが「場当たり的」「独善的」な実践に終止符を打つ機能を内包していることについて、その気付きを促す作業は決して容易なものとならない。自らの実践の根拠を絶えず意識化し、言語化する努力を継続する必要が自覚できる機運を如何に醸成するか、本システムの導入と併せて、新たな課題が明らかになった。
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Research Products
(4 results)