2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530384
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
小國 英夫 京都光華女子大学, 人間関係学部, 教授 (70224186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 嘉一郎 京都光華女子大学, 人間関係学部, 教授 (10192410)
阿部 一晴 京都光華女子大学, 人間関係学部, 助教授 (60340452)
岡本 民夫 同志社大学, 文学部, 教授 (80071918)
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Keywords | 高度実学教育 / フィールドラーニング / 予習支援 / 通年型実習 / 復習支援 / 実習現場データベース / スーパービジョン |
Research Abstract |
社会福祉士のための厚生労働大臣の指定科目は大別して講義系が13教科(14科目)と演習・実習系が2教科(3科目)、合計15教科(17科目)であり、これに精神保健福祉士関係の科目を加えると、合計で講義系が20科目、演習・実習系が5科目となる。 しかし、社会福祉専門教育は高度な実学教育であるため、フィールドラーニング(現場実習、現地調査、個別ヒアリング、ボランティア活動、インターンシップなど)を軸として専門演習や卒業研究による知識・技術の総合化や社会福祉的な感性及び意識の向上が不可欠である。特に近年の社会福祉は地域福祉志向である。従って社会福祉教育においても、従来の施設福祉中心時代と異なり、自分自身もその一員である地域社会(学校社会や職場社会を含む)での実践力が求められる。 本研究においては社会福祉系学部教育における講義系カリキュラムと実習・演習・卒業研究系カリキュラムの連携を強化し、且つ、両者のバランスを改善するために如何にITを活用すべきかをテーマとしている。 平成17年度においては日本福祉大学等の先行事例に学ぶと同時に、京都光華女子大学でのBlackboardやMediaDEPOを使った1年間の予習・復習支援に関する分析評価、実習教育への応用可能性に関する研究等に重点を置き、TV会議システムによる現場とのシミュレーションを行った。 2年間の研究では次のような点で一定の成果が見られた。 (1)講義系科目に関しては、かなりの科目をEラーニングに移行することで、フィールドラーニングに少しでも多くの時間を確保するという目論見は、この研究期間中には実現には至らなかったが、特定科目に関してBlackboardやMediaDEPOを使った授業が一定の成果を挙げたこと、また、教科書を含む新しい教材の在り方に関しても一定の見通しがたったと思われる。 (2)実習系科目に関しては、実習先のデータベース化や事前学習のための情報提供の試みや、TV会議システム(I-collabo)を活用した現場とのタイアップによるスーパービジョン等の試みにより、京都光華女子大学の通年型実習に適したサポート方法について一定の考察ができた。 (3)社会福祉専門演習や卒業研究指導に関しては、本学の社会福祉学科が平成18年度に完成年度を迎える関係で、17年度段階での最上級生が3年次生であったために具体的な場面での研究ができなかったが、研究分担者(情報系)の経験を参考に、一定のイメージを描くことはできた。 今後はこうした研究成果をもとに更なる実験や実践を重ね、また、他大学との経験交流を進めて、社会福祉教育の発展に向けて更なるIT活用の具体的な方法を究明していきたい。
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