2006 Fiscal Year Annual Research Report
児童福祉施設入所児童の学校における生徒指導課題と対応に関する研究
Project/Area Number |
16530387
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
野田 正人 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (10218331)
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Keywords | 問題行動 / 児童虐待 / 児童福祉施設 / スクールソーシャルワーク / アセスメント / ケース会議 / 中華人民共和国 / 工読学校 |
Research Abstract |
学校での子どもの問題行動の背景には、単に子どもの心理的問題と考えるだけでは不十分な、養育条件や生活環境をかかえる場合が多く、児童福祉施設の子どもについては、その課題が重篤で児童虐待と考えられる子どもが、多人数、集中的に存在するため、対応する学校が苦慮している場合が多い。一方で、児童福祉施設には、特別支援の対象と考えられる子どもが多数入所しており、この施設をかかえる学校は、連携を取ることよりも、子どもの問題行動をめぐって、施設と対立的関係になる場合も少なくない。仮に連携しようとしても、人事異動や多忙で時間がとれないなどの理由から、連携がうまくいっていない例が目立つ一方で、京都市など施設団体と対応学校とが組織化され、共同して研修を行うなどの対応ととっている例も見られた。 学校が問題行動に対応しようとする際、その背景の課題を視野に入れることが望まれる、それにはケース会議を活用したアセスメントが有効であり、大阪府のスクールソーシャルワーク事業などはその好例である。その結果、福祉機関と教育機関が連携し、児童福祉施設を活用できたことから子どもが大変落ち着いた事例や、そのことを関係機関間で確認することを通して、各機関の研修と連携のきっかけとできた事例も発見できた。このような教育と福祉の連携強化の方策は効果的である。 中国でも、一人っ子視施策と経済格差の拡大から、学校での子どもの問題行動が見られ、国家レベルでは、義務教育法の改正などを通して、子どもの課題を援助できる施設(工読学校など)の充実が強調されているが、地方政府によっては経済発展を優先するため、施設整備が十分でない地域も見られた。
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Research Products
(2 results)