2004 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスの痴呆症の介護基準と痴呆症の介護職員の職業能力形成に関する実証的研究
Project/Area Number |
16530392
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
三富 道子 静岡県立大学短期大学部, 助教授 (80300177)
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Keywords | イギリス / 2000年法 / 認知症高齢者 |
Research Abstract |
3年間に及ぶ研究の初年度である本年度は、次の4つの作業を行なった。 1.イギリスの全国介護基準に関する2000年法の背景とその内容の検討。 2.2000年法制定後、2003〜2004年に実施された高齢者入居施設の監査官意見書の検討。 3.2000年法制定後の介護市場の変化を探る資料の収集と検討。 4.イギリスの高齢者施設の見学と聴き取り調査の実施。 本年度は、以上の検討を踏まえて、ロンドン市内の高齢者施設(認知症高齢者の入居している施設)である次の3ヶ所の現地調査を行なった。(1)タワー・ブリッジナーシングホーム(Tower bridge Nursing Home -128床を有する大規模施設)、(2)アストン・グランジ(Aston Grange -45床の内、認知症高齢者29名の施設)、(3)ロス・ワイルド・ナーシングホーム(Ross Wyld Nursing Home -54床の内、認知症高齢者22名の施設)で(1)、(2)については見学、(3)については、2000年法の基準をもとに聴き取り調査を行なった。2000年法の目的が、ケアサービスの水準の向上や市場部門の供給するヘルスケアの監視にあるとすれば、(3)の聴き取り調査からすると、環境、苦情処理、個別のケアプランでは、ある程度機能はしているものの、職員の職業能力形成のための教育プログラムは、組まれていない。認知症の介護については、その殆どが経験に頼っているのも事実である。 次年度以降は、介護基準に盛り込まれている職員の資格NVQLevel2の教育内容の検討に着手する。
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Research Products
(1 results)