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2004 Fiscal Year Annual Research Report

自尊心の文化的意味と測定法に関する比較文化的研究

Research Project

Project/Area Number 16530397
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

山口 勧  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80134427)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森尾 博昭  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (80361559)
Keywords自尊心 / 比較文化
Research Abstract

日本、米国および中国で自尊心に関する顕在的自尊心尺度および潜在的自尊心尺度を用いて被験者の自尊心を測定し、両者の対応関係を調べた。その結果、顕在的自尊心では米国人が日本人や中国人よりも高いという傾向が見られたが、潜在的自尊心では文化差は見られなかった。また、日本人大学生を対象として、計画錯誤と顕在的自尊心および潜在的自尊心との対応関係も調べたが、日本人大学生は時間的な計画錯誤ではアメリカ人学生同様に計画錯誤を示すが、成績に関しては計画錯誤を示さないという結果が得られた。このように日本人は自分が優れているかどうかという点に関しては、高い自己評価を表明しないが、潜在的な尺度や謙遜と関係のない尺度を用いると日本人でも高い自尊心や自己評価が見られるという結果が得られた。
さらに、日本人の自尊心を構成する文化的な要素を検証するために、「面子」概念を取り上げて、二つの研究を行なった。研究1では、日本における「面子」概念の構成的な特徴を調べた結果、面子は社会的役割に基づいた期待と強く関わっていることが分かり、公的場面において社会的役割に基づいた期待を果たせなかったことを「面子を失う(面子喪失)」と一般的に認知されることが分かった。さらに、研究2では、面子喪失の認知を規定する対人的及び状況的要因について調べた結果、相対的な立場や上下関係、状況場面の正式性が面子喪失の認知に影響を及ぼす傾向が見られた。これらは、自尊心の直接的な規定因とは考えにくいものである。
以上の結果は、自尊心に関しては謙遜の要因を除くと、日本人でもアメリカ人と同様の傾向が見られることを示している。さらに、自尊心は面子と関わっているものの、両者の間には明確な違いがあることも分かった。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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