2004 Fiscal Year Annual Research Report
実物教材の導入が英文読解への意欲と理解を促進する効果に関する教育心理学的研究
Project/Area Number |
16530416
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇野 忍 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30004120)
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Keywords | 英文読解 / 実物教材 / 興味関心度 |
Research Abstract |
1.研究概要と目的:実物教材を用いた英文読解に関する実験授業を、大学生12名を対象に、次の手順で行った。(1)学習者による化石(三葉虫)の観察とそれが何かの予想、(2)自分の予想の確からしさ評定、(3)化石の説明文に対する読みたさ評定、(4)三葉虫がいつ頃、どこで、どのくらいの期間生息していたかを内容とする英文(英文1)の日本語訳、(5)三葉虫の餌は何かの予想、(6)自分の予想の確からしさ評定、(7)三葉虫の食性に関する英文(英文2)の読みたさ評定、(8)英文2の日本語訳、(9)三葉虫について知りたいことの自由記述、(10)知りたいことが書かれた英文の読みたさ評定、(11)三葉虫への興味度、英文の読みたさ等11項目の調査項目への回答。この実験授業の目的は、(1)自分の予想を確認するために英文を読むという授業は面白いし、英文を読みたくなる、(2)日本語訳の正確さや全体の訳の良さは、読みたさ評定と相関している、(3)英文の読みたさや三葉虫への興味関心は高まる、の3点を確認することであった。 2.結果の概要:(1)自分の予想を確かめるための英文読解の授業は面白いという対象者が多い(11名/12名)。また、英文1の読みたさでぜひ読みたい、読みたいと答えた者は10名/12名、英文2のそれでは9名/12名)と読みたいとする者が多い。(2)3名の判定者が1文毎の訳の正確さ、訳文全体の良さを3段階に評定した。英文1の訳の正確さは85%、英文2のそれは70%であった。また、訳文全体の良さは英文1、英文2共に中位評定の者が多かった。さらに、読みたさと訳の正確さの相関は英文1:0.68、英文2:0.46、読みたさと全体の訳の良さの相関は、英文1:0.51、英文2:0.03と、英文2では相関がなかった。(3)内容(三葉虫)に対する興味関心度は高まったが、英文自体の読みたさはそうではなかった。(4)実物教材の導入は英文読解にプラスだと回答する者が多かった(11名/12名)。
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