2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530419
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中澤 潤 千葉大学, 教育学部, 教授 (40127676)
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Keywords | 情緒制御 / 社会的問題解決 / 認知制御 / 仲間関係 / 社会的行動 |
Research Abstract |
本年度は特に情緒制御課題についての基礎的検討、並びに社会的問題解決と情緒の関連についての検討を行った。 1.情緒制御の査定課題であるMISC視聴時の生理反応を大学生を対象に測定した。情緒喚起刺激は心拍の低下をもたらすことが明らかとなった。情緒喚起場面での注意の集中が反映されていると考えられる。 2.学生の情緒をより広く「個別情動尺度(DES-IV)」により測定し、社会的問題解決との関連を検討した研究では、ポジティプ感情(興味・喜び)は肯定的問題定位(PPO)、合理的問題解決(RPS)と正の、否定的問題定位(NPO)、回避的問題解決(AS)と負の関連がみられ、逆にネガティブな感情(悲しみ・驚き)は肯定的問題定位(PPO)と負の、否定的問題定位(NPO)、回避的問題解決(AS)、衝動・不注意型問題解決(ICS)と正の関連が見られた。 3.さらに、援助を受けたときのネガティプな情緒である心理的負債感と社会的問題解決との関連を検討したところ、男子学生では「返報ルール(何かをしてもらったらお返しをしなけれぱならない)」が肯定的問題定位(PPO)や合理的問題解決(RPS)と正の、「返報負担感(人に助けを求めるとその人に頭が上がらなくなる)」が否定的問題定位(NPO)正の関連が見られた。一方女子学生では心理的負債感と社会的問題解決に関連は見られなかった。男性の方が人からの援助をネガティブに捉え、それが社会的行動と関連しているようである。 これらの結果は、いずれも情緒制御と社会的問題解決が密接に関連していることを示している。
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Research Products
(2 results)