2005 Fiscal Year Annual Research Report
中学生が援助を求める時の意識・態度に応じた援助サービスシステムの開発
Project/Area Number |
16530423
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
水野 治久 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80282937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 豊一 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (10348154)
石隈 利紀 筑波大学, 大学院・総合人間科学研究科, 教授 (50232278)
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Keywords | 被援助志向性 / 援助要請 / スクールカウンセラー / 信頼性 / 汚名 / 自己開示 / スキル / 相談行動 |
Research Abstract |
援助に対する意識・態度を測定する尺度を開発するために6月に大阪府内のA中学校366名を対象に調査を実施した。今回はスクールカウンセラーからの援助に対する意識を測定することとした。尺度項目は昨年度の自由記述調査より作成し,因子分析の結果,「スクールカウンセラー(以下SC)は良いアドバイスをしてくれそうだ」,「SCは自分が悩んでいることを尊重してくれそうだ」など6項目からなる<援助の肯定的側面(α=.916)>,「SCに問題をうまく伝えられない(逆転項目)」,「私はSCに相談したいことを,整理して伝えることができない(逆転項目)」など5項目からなる<相談スキル(α=.889)>,「SCに相談したことは先生に伝わりそうだ(逆転項目)」,「SCに相談したことは親(保護者)に伝わりそうだ(逆転項目)」など5項目からなる<汚名の心配の少なさ(α=.836)>,「SCは忙しそうで相談できない(逆転項目)」,「私が相談したいときSCは学校にいない(逆転項目)」など5項目からなる<遠慮の少なさ(α=.775)>,「あまりよく知らない人に自分の問題を相談できない(逆転項目)」,「SCに自分のことは話せない(逆転項目)」など3項目からなる<自己開示への恐れの少なさ(α=.791)>の5因子が抽出された。累積寄与率は58.85%,尺度全体のα係数は.893であった。また,スクールカウンセラーを知っている人はそうでない人と比較して有意に援助の肯定的側面因子が高く,またスクールカウンセラーと話をしたことがある人は話をしたことがない人と比較して,有意に汚名の心配が少なかった。この調査をもとに,12月〜3月にかけて,中学生約1000名を対象に,スクールカウンセラーの援助に対する意識や態度を測定する調査を行った。この調査では予備調査を元に尺度項目をもう一度検討した。また,永井・新井(2005)が開発した相談行動尺度を加え併存的妥当性を検討する予定である。データは現在,集計中である。
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