2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本の児童生徒の希望についての比較文化的発達的検討
Project/Area Number |
16530428
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡辺 弘純 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30036412)
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Keywords | 希望 / 自己信頼 / 児童生徒 / 精神的健康 / 動機づけ / 比較文化的検討 / 国際情報交換 / 中国:米国 |
Research Abstract |
(1)希望概念について、再々考を行い、研究論文として公表した。そこでは、希望以前に、安心という土台が不可欠であり、その揺らぎが希望の喪失へと導くこと、及びリッカート尺度ではなく、SD法による尺度の必要性についても述べた。これに基づいた、新たな感情的側面を含む希望をとらえる調査項目群については、現在作成中である。 (2)従来の希望概念によって作成した尺度による調査内容、その規定因、及びその影響を与える側面についての調査内容を再検討した後、米国で、さらに多数の小学生・中学生・高校生を対象に、調査を実施した。その上で、希望の規定因および関連する心理側面への影響について分析する基準的な枠組みを決定するために、また、新たな構想の下での希望尺度について検討するために、米国へ渡航して、米国の研究者と直接意見交換した。中国の研究者との検討は、電話と電子メールによって行われた。 (3)小学校高学年児童を対象に、希望が、今日我が国においてその喪失が懸念されている意欲(動議づけ)や友人関係に及ぼす影響について調査した。調査を分析した結果、希望が、これらの側面に、きわめて重要な肯定的影響を及ぼす要因の一つであることが明らかにされた。 (4)小学校高学年児童と中学生を対象にして、日常的な遊びや仕事と希望との関連について調査し、現在資料を検討中である。 (5)これまでに得られた結果の一部は、2006年3月には、11^<th> Biennial Meeting of Society for Research on Adolescenceで発表したが、7月には、26^<th> Biennial Meeting of ICAPなどで発表することになっている。
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