2004 Fiscal Year Annual Research Report
異なる保育環境におかれた乳児の適応を規定する要因の研究 家庭と保育所間での育児語、やりとり・遊び、愛着関係、文化学習の類同性の検討
Project/Area Number |
16530432
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
中野 茂 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (90183516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 清美 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (80201911)
草薙 恵美子 國學院短期大学, 幼児教育科, 助教授 (90341718)
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Keywords | 乳児 / 保育環境 / マザリーズ / 愛着 / 気質 / 間主観性 / ビデオ育児日記 / モーショニーズ |
Research Abstract |
本研究は、異なる保育環境におかれた乳児は、いかにその影響を受けるのか、いかにその環境に適応していくのかを明らかにするために、まず、家庭と保育園という二つの保育環境の違いを対人関係から評価し、そこから、その適応過程を明らかにしようとする。そのため、ここでは、親と保育者との関わり方、関係に違いがあるのかを、親・保育者の子どもをあやすときの声(マザリーズ:CDS)、子どもへ向けた身体表現(モーショニーズ:CDM)、愛着関係、間主観的関わり、さらに、子どもの気質傾向への反応を縦断的に測定し、それらについて両者を比較し、その相違を見出することを目的としている。この目的に沿って、本年度は、まず、家庭保育のサンプルの評価を行った。具体的には、出産前講習会に参加した妊婦と配偶者に本プロジェクトへの参加を呼びかけ、20数名の協力者が得られた(総数で50名前後になるように、次年度以降も募集を続ける予定)。これらの協力者に、出産前の成人愛着インタビュー(AAI)・性格検査(ATQ)、出産後の抑鬱傾向、2、3か月での乳児の気質の測定(ITQ・IBQ)、4か月の実験室でのマザリーズ・テレビ電話・スティルフェイスなどの場面でのコミュニケーションの測定を行った。併せて、生後2-4週、2・3・5か月時点での家庭での親子のやりとりについて、親自身が日常を撮影する「ビデオ育児日記」法によって、資料の収集を行った。今年度は、計画立案、準備、協力者の募集、そして、上述のような家庭保育資料の収集に着手することが目標であったため、資料の分析、保育所保育サンプルの収集および、それとの比較は、まだ実施していない。次年度以降、親が親機能を発揮する程度と子どもの反応の個人差の分析、保育所保育サンプルの収集に順次着手していく予定である。
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