2004 Fiscal Year Annual Research Report
社会的スキルの発達と円滑な対人行動を促進するサイコエデュケーションの効果
Project/Area Number |
16530435
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
渡辺 弥生 法政大学, 文学部, 助教授 (00210956)
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Keywords | 社会的スキル / ソーシャルサポート / サイコエデュケーション / 対人葛藤 / ソーシャルスキルトレーニング(SST) / VLF |
Research Abstract |
小学校1年生から大学生1000名以上を対象に、大規模な社会的スキルの調査を質問紙によって実施した。質問紙は、4種類から構成された。ひとつは、自分のふだんの社会的スキルをどのように評価しているかについて測る25項目からなる社会的スキルの質問紙、2つめは、こうした社会的スキルに関与するソーシャルサポートの質問紙で、家族からサポートを受けているかどうかを評定する11項目から構成される評定尺度、3つめは、友達からのサポートについて測る同じく11項目からなる評定尺度、4つめは、対人葛藤場面において、相手の意図、対応方法、実際に相手に伝える言葉について尋ねる自由記述の質問紙であった。 4つめの対人葛藤場面は、被験者が経験しうる葛藤場面を扱っており、友達に貸したものを返してもらえない場面、自分の秘密を友達がばらしてしまった場面、バスの座席の自分の隣にあまり親しくない友達から座りたいと言われた場面、待ち合わせをしたのに友達が来ない場面、などであった。社会的スキル、家族からのサポート、友達からのサポートなどについて、学年差や性差が見られている。対人葛藤場面における自由記述については、カテゴリーに分けて、児童・生徒の認知、行動、解決方法のバリエーションを検討中であり、先の社会的スキルやソーシャルサポートをこうした実際の葛藤場面での解決方法との関係を分析する予定である。 また、VLF (Voices of Love and Freedom)については、幼児と4年生を対象に実施し、4年生についてはVLF実践群と統制群における社会的スキルの比較を検討している。また、こうしたプログラムの展開や日本の子ども達の社会的スキルの問題の解決にこのVLFが及ぼす効果については、2004年11月のアメリカ道徳教育学会で発表した。
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Research Products
(4 results)