2006 Fiscal Year Annual Research Report
心理療法におけるTherapistの変化成長過程に関する研究
Project/Area Number |
16530453
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
文珠 紀久野 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (70191070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 祥子 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (80223147)
谷崎 和代 鹿児島純心女子大学, 国際言語学部, 助教授 (30269154)
安東 清 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (20151201)
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Keywords | Therapist / Client / 言語分析 / 実験面接 |
Research Abstract |
心理療法において、初学者のTherapyにはどのような特徴があるのかを明らかにすることが本研究の第1の目的である。比較対照のため、心理治療に関する経験を全く有しない素人が実施するTherapyを分析検討することにより、初学者が陥りやすい特徴を見出すことが第2の目的である。また、初学者に対して実施される教育方法の違いは、心理療法における言語行為にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることを第3の目的として実施した。実際の心理治療場面を使用することには、倫理的にもまた、Clientの了解を得ることの困難さ等から、本研究では実験的状況を設定して行った。 21組のTherapist-Clientを被験者として、約30分〜40分の心理面接を連続して5回実施した。Therapistとしての被験者は、研究への協力を了解した大学3年生10人、社会人11人である。Clientとしての被験者は、研究への協力を了解した大学1年生21人である。面接状況は、ビデオカメラ2台による録画と、録音機材(MDレコーダー、テープレコーダー)を使用して、記録した。また、Therapist、Clientの両被験者は、面接直後に面接状況をふりかえっての記録を依頼した。全5回の面接を終了した後には、面接全体を通してのアンケートを実施した。面接内容は、「対人関係に関する問題」を扱った。 結果として、素人による面接の特徴は、Therapistからの質問の多用、頻回のターン、扱われるトピックが短時間に変化していくことが見出された。初学者Therapistにおいては、情報収集を目的としている質問が多く見られ、主訴を扱うまでに雑談があること、Therapist主導で面接が進行しがちであるという特徴がみられた。初学者は講義、演習で学修した技法を忠実にこなそうとする傾向が強くみられた。
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