2004 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害者の障害特性及び実態把握のためのアセスメント・ツールの開発
Project/Area Number |
16530459
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
村瀬 嘉代子 大正大学, 人間学部, 教授 (70174290)
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Keywords | 重複聴覚障害者 / アセスメント / 公共性 |
Research Abstract |
重複聴覚障害者の状態像を正確に捉えることの出来るアセスメント・ツール(テスト、質問紙、観察法)はこれまでなかった。既存の健聴者用の「聞こえる」ことを前提としたテストは重複聴覚障害者にはそのまま適用できない。そのため、テストの一部のみを使用し限られたデータから全体像を捉えざるをえなかった。仮にテスト結果が出せたとしてもそれが対象者の能力を正確に反映しているといいがたい現状がある。 研究代表者は、重度身体障害者入所授産施設(通所併設)において、施設職員、施設入所者家族に対する面接調査を実施、実態とニーズの把握を行っている。 一方、施設から発達診断を求められた入所者について、(1)個別面接、(2)作業場面・日常生活場面への関与的観察、(3)家族の報告による帰宅時の様子などの内容をもとに多軸による総合評価を実施した。 さらに、研究代表者はスイスにおいて、海外における聴覚障害者の実態について情報収集を行った。 上述の実践研究から得た知見、並びに重複聴覚障害者施設における心理的援助の経験をもとに、施設職員、家族との共同作業を重ね、新たなアセスメント・ツールの評定項目について検討中である。 ここで目指すアセスメント・ツールは、施設職員及び家族が簡便に実施でき、日常生活で対象者に関わる際に対象者を理解するための一助となり即座に活用できる、公共性の高いものを目指している。
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Research Products
(1 results)