2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530471
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂田 省吾 広島大学, 総合科学部, 教授 (50153888)
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Keywords | ピーク法 / 時間弁別 / 海馬 / ERP / ラット |
Research Abstract |
本研究では,正常に機能している脳から電気活動を測定し,時間弁別学習と脳波の対応を検討することを目的とする。時間認知の脳内メカニズムを明らかにするために,まず行動的なピーク法の訓練手続きおよび,時間弁別の判定指標を確定することを本年度の目的とした。 本年度は,実験室にある基本的なオペラント研究設備を使用してラットにピーク法の訓練を100セッション行った。実験手続きとして4Hzの音刺激を提示して30秒を強化設定時間として時間経過に伴うピークの形成過程を検討した。ラットを用いた心理学的研究で海外共同研究者のMeck博士とも連絡を取りながら行動の結果を確認した。得られたデータを3秒ビンに分割し,経過時間に対する反応数をプロットして分布を求め,さらにその原データにMATLABの分析ソフトを用いて当てはめ曲線を求めた。その結果,ピーク時間,適合率,変動性がラットの時間知覚においてよい行動的指標となることが再確認された。この時間認知の脳内メカニズムにアプローチするために,時間弁別学習を遂行している個体の脳から同時に脳波を測定する実験を並行して行っている。 行動的にピークの形成が確認できたので,現在の検討段階は個体の時間弁別学習と脳内電気活動の対応を検討することである。脳内電気活動の分析のポイントは時間計測開始の音刺激提示からピーク出現にいたるまで,さらにピーク経過後の周波数分析の時間的変動も含めて検討している。理論的にはGibbon, Church, & Meck(1984)のスカラー特性に基づいた時間認知の情報処理理論をもとにしている。秒から分単位の時間認知の中枢は概日リズムの中枢とは異なっている。海馬,線条体を中心として現在,ピーク法を訓練したラットを用いて時間弁別行動中の脳内電気活動を測定している。
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Research Products
(5 results)