2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530475
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
高橋 雅延 聖心女子大学, 文学部, 教授 (10206849)
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Keywords | 検索抑制 / 指示忘却 / 情動 / 記憶負荷 |
Research Abstract |
本研究課題では、リスト指示忘却と呼ばれるパラダイムを用いて、言語材料と画像材料における情動性と二重課題のそれぞれが意識的な検索抑制に及ぼす効果について検討することを目的とした。昨年度は、すでに他の多くの研究で確立されている(記憶負荷のない場合の)単語の抑制効果(すなわちリスト指示忘却効果)の知見を実験的に確認した。 本年度は、まず、昨年度とまったく同じ単語材料(ニュートラル単語16語とネガティブ単語16語)と手続きを用い、記憶負荷を与えた(第2リストの呈示前に全員に6桁の数字を記憶させた)ところ、指示忘却効果の消失を確認することができた。次に、画像材料(ネガティブ写真24枚)を用い、記銘群24名と忘却群24名を対象に、記憶負荷を与えない場合のリスト指示忘却の知見を検討した。その結果、ネガティブ画像でも(記憶負荷を与えない)単語材料とまったく同様のリスト指示忘却現象が認められた。すなわち、(1)第1リストは記銘群より忘却群の再生成績の方が悪い、(2)第2リストは忘却群よりも(第1リストからの順向干渉を受けた)記銘群の再生成績の方が悪い、(3)再認テストでは第1リスト、第2リストともに両群の問に再認成績の違いが認められない、という結果が得られた。これらのことから、言語材料、画像材料のいずれの場合にも検索抑制が認められること、また、これらの検索抑制が成功するためには、抑制したい材料から注意をそらし、別の材料の記銘活動に十分に従事しなければならないことが示唆された。
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