2005 Fiscal Year Annual Research Report
韓国の学校教育における「統一教育」の歴史的変遷と課題
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16530492
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高 吉嬉 山形大学, 地域教育文化学部, 助教授 (20344781)
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Keywords | 韓国・朝鮮 / 朝鮮半島の分断と統一 / 日韓関係 / 日韓歴史教育 / 日韓平和教育 / 社会科教育 / 相互理解教育 / 東北アジア |
Research Abstract |
平成17年度は前年度の研究成果を踏まえながら、第一に、韓国の学校教育における「統一教育」の歴史的変遷と現状をまとめつつ、第二に、朝鮮半島の分断と統一問題に対する日本の社会科の現状と課題を考察し、その上で東北アジアの共存・共生という教育的視座を模索する研究活動に努めた。その結果、以下のよう実績を挙げてきた。 第一に、様々な場所に出かけて積極的に口頭発表を行った。例えば、「朝鮮半島イメージの二極分化と社会科の課題」(日韓歴史教育実践交流会、1月)、「新しい日韓関係を考える-ナショナル・ヒストリを超えて-」(歴史教育者協議会・山形大会、4月)、「日韓歴史教育の課題-二分法的思考の相対化-」(歴史教育者協議会秋田大会、7月)、「日本の大学生にみる東北アジアとアメリカのイメージ」(第57回歴史教育者協議会全国大会、7月)などである。 第二に、朝鮮半島を軸にした東北アジアの平和構築のための日本の社会科の現状と課題を明らかにする研究活動を行った。例えば、(1)佐貫浩「被爆・敗戦60年-東アジアの平和への日本の責任を考える-」を韓国歴史教育学会『歴史教育研究』創刊号(2005年7月)に翻訳・掲載し、(2)科研費の研究成果を中間まとめをする作業として、審査論文である「東北アジアの平和構築と社会科の課題-朝鮮半島イメージの二極分化の問題を中心に-」(民主教育研究所『民主教育研究所年報2005』、2005年8月)を投稿・掲載した。 第三に、『馬山で生まれた日本人朝鮮史学者 旗田巍(ハングル)』(知識産業社(ソウル)、2005年7月)を韓国で出版した。旗田巍は戦後日本で朝鮮半島の分断と統一問題にいち早く関心を寄せ、日韓・日朝友好のために努力した人物である。「知識産業社」は韓国の歴史学を先導してきた知名度のある出版社である。拙著は出版と同時に、韓国の8社の新聞社に紹介されるなど大きな反響を呼んだ。 現在は、以上の成果を踏まえて報告書を作成中である。
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