2005 Fiscal Year Annual Research Report
臨床教育学的・エスノグラフィー的・物語論的教育研究の展開
Project/Area Number |
16530506
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
本山 方子 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (30335468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉峰 英憲 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70025112)
浜田 寿美男 奈良女子大学, 文学部, 教授 (50113105)
森岡 正芳 奈良女子大学, 文学部, 教授 (60166387)
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Keywords | 臨床教育学 / エスノグラフィー / 物語論 / 質的 / 談話 / コミュニケーション / 授業研究 / 省察 |
Research Abstract |
まず、臨床的・解釈学的アプローチによる教育研究の理論的基盤形成に向けて、2点の検討を進めた。一つには、教育実践研究に潜在する教育言説の社会構成論的立場と実在論的立場との矛盾や拮抗についての検討である。この課題に対し、「学校」という場の仮想性を、子どもの実在や現実感覚から批判的に検討を行い、図書の公刊を行った(浜田)。もう一つには、上記アプローチによる教育実践研究における研究者の立ち位置や、現場との協同の問題について、その矛盾や困難を含めて検討を行った。現場の実践に何者として接触し語るのか、実践への関与によって曝され構成される研究者の「私」について図書の公刊を行った(浜田)。また、論理実証的研究法に対して上記アプローチに課せられる役割について、フォークサイコロジーや政策的思考の運用などの点から検討を進め、日本質的心理学会における自主シンポジウムで話題提供を行った(本山)。 さらに、教育実践研究の実際として、附属小学校における学級と授業のフィールド調査研究を本格的に展開した(本山)。一つには、小学1年生の学級文化の生成過程の研究である。子どもの教室生活の習慣形成における教師のモデル化作用について分析を行い、日本子ども社会学会において研究発表を行った。二つには、昨年度来進める小学1年生における集団的言語コミュニケーションの生成過程の研究である。子どもの発話の関連づけと談話生成の変容について、学級で活用された「つなげる」という用語に着目して論文化を行った。三つには、小学5年生の総合学習における教師の問題解決と意志決定の研究である。授業実践に加え、授業時の意志決定の省察や、その語りの変容、語り直しの契機などについて、データを収集した。これらの研究より、教師は自らの教育課題をいかに実践に反映させるのか、教師の発話や語りによる実践の構成に焦点をあて明らかにしたい。
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Research Products
(4 results)