2005 Fiscal Year Annual Research Report
学校選択制度による公立学校教育の質の向上メカニズムに関する研究
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16530517
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
黒崎 勲 日本大学, 文理学部, 教授 (70012573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 直子 首都大学東京, 都市教養学部, 助教授 (40211792)
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Keywords | 学校選択 / 教育委員会制度 / 教育行政の独立性 / 教育の民衆統制 / 教育の専門性 / 教育統治(ガバナンス) / 公立学校制度 / 教育のローカルコントロール |
Research Abstract |
今年度は、学校選択制度は教育委員会による教育統治のひとつの形態として、公立学校改革のための明瞭な戦略をもって実施されるときにのみ効果的な方策となるという研究成果に基づき、公立学校ネットワークの統治(ガバナンス)という観点から、教育行政学のこれまでの先行研究を批判的に概括することに研究の焦点をあてた。とくに教育行政の一般行政からの独立という原則(教育行政の独立性)の意義を深め、この制度原理を具体化したとされる教育委員会制度の理念と実態についての歴史的、比較的、現状分析的な考察に努力した。わが国の教育委員会制度の原形とされるのはアメリカ合衆国の教育委員会制度であるが、これについての歴史的に蓄積されてきた研究成果を現代の教育改革の文脈に即して包括的に再検討したタイヤックの最新の研究について再検討を加えた。アメリカ合衆国の教育委員会制度についての歴史的研究はこれまで世紀転換点における革新主義運動によって教育の民衆統制の原理が形骸化される過程を描き出すことを主題としてきたが、本研究においては‘教育委員会制度の現代的意義の解明を目指す最新の研究動向は、国民国家の再生産の課題をローカルコントロールの理念によって追求するというパラドックスに教育行政の独立性原則の意義が秘められていることをあきらかにした。さらに、以上の研究を通して、学校選択制度を民衆統制と専門的指導性の調和を実現するための制度原理のひとつとして理解することの重要性を明らかにしつつ、逆に民衆統制と専門的指導性の調和の理念の発展的な内容を探求することが課題であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)