2005 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ合衆国における近年の進歩主義教育評価の研究
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16530530
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
甲斐 進一 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (40065040)
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Keywords | デューイ / ジルバースミット / ローレル・タナー / フィッシュマン / 進歩主義 / 間接的教授学 / 性格教育 / 社会改造 |
Research Abstract |
平成17年度は、4つの研究を行った。 第1は、進歩主義教育によるアメリカ教育変革の努力を妨げた要因(社会環境、学問的カリキュラムの台頭、官僚生による妨害、進歩主義の理想とする教師訓練の困難性、デューイ理論解釈の多様性等)について論じたジルバースミットの所論(1993年)の特色を明らかにした。 第2は、ローレル・タナーの所論(1997年)を考察し、小学校への直接的活動の導入の意義、興味と動機づけの重要性、縦断的及び横断的カリキュラム・デザインの重要性、教師教育のあり方、性格教育と社会改造等に関して、デューイの実験学校から今なおアメリカ教育が学ぶことのできることを明らかにした。 第3は、フィッシュマンらの1997年の研究によりながら、デューイ理論が次の3点で現代教育に寄与しうる事を明らかにした。(1)デューイの協同的コミュニティに対する関心は、自由、独立、競争、効率等の価値を強調するアメリカ教育へ反省を促す。(2)デューイは教師に教室の実践者であると共に協同的な教育研究者としての役割を期待している。(3)デューイの間接的教授学(具体的な問題解決のために教科、学問を道具的に活用する立場)は、生徒の学習促進に有効である。 第4は、英知の方法への献身を重視するデューイの立場と英知の方法の活用の結果としての産物への献身を重視する社会改造主義者の立場(カウンツ、チャイルズ、ブラメルドらの立場)との識別の必要を論じたスタンリの所論(2004年)の問題点を明らかにした。すなわち、英知の方法への献身と方法への献身を同一視するスタンリの所論の問題点を明らかにした。
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Research Products
(6 results)