2004 Fiscal Year Annual Research Report
「感情」の社会化に関する総合的研究:「文化としての涙」の形成過程に着目して
Project/Area Number |
16530553
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
北澤 毅 立教大学, 文学部, 教授 (10224958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 弘 立教大学, 文学部, 教授 (90162114)
佐々木 一也 立教大学, 文学部, 教授 (70215713)
小山 真紀 立教大学, 文学部, 助教授 (10251597)
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Keywords | 泣き / 感情の社会化 / 感情の文化性 / 情操教育 / 唱歌 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「泣く」という行為の社会文化性を明らかにすることであり、申請期間の3年間で以下の4点に接近する計画を立てている。(1)発達・社会化における「泣き」の社会的意味、(2)文化的規範と「泣き」の関係、(3)人間関係における「泣き」の意味、(4)情操教育にとっての「泣き」の位置。本年度は上記のなかでも特に(1)(4)に焦点を置き、(1)については学会発表を行ないその論文化を検討してきた。(4)については今年度中(平成17年3月中)に論文を刊行予定である。 前者(1)では、保育園児の<泣き>が、単に心理的・生理的な状態から自然と溢れ出す現象にとどまらず、保育者や他の園児に対する交渉手続きとして積極的に利用される社会的資源であるありさまを、保育園でのフィールドワークとビデオデータから明らかにした。また、初期社会化と言語獲得にとっての、<泣き>に対する教育的対応の重要さも確認した。 後者(4)では、情操教育における唱歌を音楽的な要素に分解・還元するのではなく、可能な限り歌った者の感覚に沿ったことばを通して捉えて<泣き>に接近しようと試みた。「体験としての唱歌」という視点から、ことば・音・身体感覚が融合した高まりを「クライマックス性」と名づけ、父・母をうたった唱歌を考察した。その結果、「クライマックス性」が、人々が唱歌を通して父・母を想起し記憶を再構成していく際の、いわばインデックスとして機能していることが明らかにされた。以上が本年度の研究実績である。
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Research Products
(2 results)