2004 Fiscal Year Annual Research Report
小学校図画工作科における知性教育の理論的及び実践的研究
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16530561
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
立原 慶一 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (10136369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蛯名 敦子 弘前大学, 教育学部, 教授 (20302010)
金子 宜正 高知大学, 教育学部, 助教授 (20263965)
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Keywords | 伝え合いたいこと / 知性教育 / 題材 / 方法論的考察 / 授業形態 / 指導課程 / ワークシート / 高学年児童 |
Research Abstract |
1.新内容「伝え合いたいこと」が、教育現場でどのように捉えられているか、具体的な対応としてどのような授業がなされているかを、小学校教員に対するアンケート調査を行い、各地の教育センターに保管されている「伝え合いたいこと」をめぐる指導案を探査した。その結果、ほとんど行われず、実施されたものも導入の趣旨に照らして分析したが、その適合性はほとんどなかった。 2.こうした実態調査を前提にして、図画工作科における知性教育が教科目的を達成しうる、という命題を基本的な仮説として設定した。ここで目的とは、「造形表現力」の設定と「情操」の涵養である。そうした立場から知性的図画工作科教育の方法論的考察を学術的に行った。その内容は第一に題材例を具体的に考案・設定し、それに基づく授業形態及び指導課程を構想すること、第二に本題材に関してその指導レベルにおける特徴的な方法論を仮説として構築すること、第三にそれらを構成する概念を吟味し、論理関係を追究することである。かくて題材「私たちのつながり〜コラージュ技法を用いて〜」(小学5年生)が設定された。 3.ついで方法論的仮説の有効性を実践を通して検証した。授業形態の特徴については、作品の読み取りの仕方などを中心とした鑑賞活動を、初回授業の冒頭と最終授業に設定する。指導課程の工夫については三段階に分け、第一次は導入としての作品鑑賞とそれを前提としたラフ・スケッチ制作を内容とする。第二次は、本絵制作を内容とする。第三次は、鑑賞活動を内容とする。今回構想した授業形態及び指導課程をめぐる方法論的仮説は有効性を発揮した。新内容に特徴的と見なされる指導法上の方法論的仮説として、「ワークシート」のフォーマットと導入時期を工夫した。それは発想の手助けや作業計画の認識として活用させるべく、「導入」終了の段階で彼らに課されたが、発想やその後の制作における構想、作業計画に対して有効性を発揮した。「伝え合いたい」ことは人生や生活世界において、人が直面しなければならない具体的な表現課題の一つであり、認識の主体としての自分に気付く小学校高学年児童にとって、教育の適時性を備えていることが判明した。
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Research Products
(3 results)