2006 Fiscal Year Annual Research Report
障害乳幼児の家族支援に向けた環境アセスメントの開発と適用
Project/Area Number |
16530619
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小林 芳文 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (70106152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯村 敦子 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (70326982)
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Keywords | 障害乳幼児 / 家族支援 / 環境 / アセスメント / ムーブメント教育 |
Research Abstract |
平成18年度は、Movement Education Program Assessment(MEPA)を用いて、障害乳幼児の環境アセスメントと家族参加型療育支援モデルを作成した。 MEPA評定表の項目から家族参加型療育の具体的な支援につながる53項目を抽出し、各項目の達成月齢を調査した。対象児は、0歳〜7歳未満の乳幼児467名である。各項目について、その項目を達成した月齢を対象児毎に換算した。分析件数は、MEPAにおける感覚・運動分野13評定項目中3191件、言語分野16評定項目中3327件、社会性分野4評定項目中1012件である。 各項目について、対象児がその項目を通過した月齢を分析した結果、以下の特徴が認められた。それは「ある期間に集中して達成される評定項目と、項目通過月齢にばらつきがあり、個人差が大きい評定項目がある」ということであった。これは、達成される発達の時期が集中している項目については、支援の時期を絞り込む必要があること、個人差が大きく通過月齢にばらつきがある項目は、長い期間にわたり支援の必要があることを示している。そそて、発達の流れという視点から、それぞれの項目について支援の時期をより明確にすることができた。 さらに、ムーブメント教育・療法による支援教室に参加しているダウン症児とその家族を対象として、早期の療育支援と家族力を生かした家族支援のあり方、さらに、アセスメントへのファミリーレポートの適用について検討した。家族の現在のQOLや力量に関する調査は、WHO/QOL26、家族力量アセスメント、ファミリーレポート、FSIを用いた。 家族アセスメントの結果、WHO/QOL26は数値が高く、本対象児の家族は、その生活の質という側面において非常に安定しており、家族力量アセスメントでは、社会資源活用力、家事運営力、関係調整力は高く、養育力や役割分担については、やや低いことが明らかになった。また、対象児の発達支援における家族の希望は、対象児の現在の発達課題に直結していることが明らかになった。これは、家族にも把握しやすい発達アセスメントにより、対象児の現在の課題や今後の目標設定が家族にも容易になることが示唆された。
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Research Products
(5 results)