2005 Fiscal Year Annual Research Report
盲児童用点字教科書発行の変遷と今後の編集システムの在り方に関する研究
Project/Area Number |
16530633
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
牟田口 辰己 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (40282371)
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Keywords | 視覚障害教育 / 点字教科書 / 盲児童 / 文部科学省著作教科書 / 点訳ボランティア |
Research Abstract |
通常の学級で学ぶ盲児童が使用する点字教科書編集システムの在り方を探ることを目的に、今年度は以下の研究を実施した。 1 文部(科学)省著作点字教科書編纂の変遷の整理と分析 文部(科学)省著作点字教科書の編纂について、特に小学部点字触読導入教材の編集の観点と配慮事項に関連する指導書類を整理し、編集の基本的考え方を分析した。その成果は、広島大学大学院教育学研究科研究紀要と第43回日本特殊教育学会で報告した。 2 ボランティア作成の点字教科書の収集と編集方法の分析 平成16年度に通常の学級で学ぶ盲児が実際に使用したボランティア作成による点字教科書と文部科学省著作教科書の編集方法と内容を比較検討した。分析対象は、文部科学省著作の算数点字教科書とその原典「新しい算数」(東京書籍)および二つの点訳ボランティアが作成した点字教科書とその原典「算数」(学校図書)であり、特に6年「立体」の単元を取り上げた。その結果、文部科学省著作教科書では、盲児の触覚特性に配慮した触図が掲載されていたが、ボランティア作成の教科書では、手作りによるものと点図作成ソフトを活用したもので作成されていることが分かった。さらに、検定教科書で多用される「見取り図」の扱いについて、文部科学省著作ではすべての見取り図を展開図や投影図に修正していたが、ボランティア作成の教科書では点図による見取り図がそのまま掲載されていた。この成果は、第43回日本特殊教育学会で報告した。 3 ボランティア等による点字教科書編集方法の統一化に向けた動きの情報収集 昨年組織された「全国視覚障害児童・生徒用教科書点訳連絡会」が開催した研修セミナーに参加し、全国レベルで統一した質の高い点字教科書の安定供給を目指すためのデータ共有の方途などに関する情報収集を行った。
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Research Products
(4 results)