2006 Fiscal Year Annual Research Report
代数体のイデアル類群と数論的関数についての研究とその応用
Project/Area Number |
16540007
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田谷 久雄 東北大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (40257241)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗政 昭弘 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50219862)
今井 秀雄 東北大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (10093668)
|
Keywords | 代数体 / 類数 / イデアル類群 / 岩澤不変量 / Zp拡大 / 中心拡大 / アーベル体 / 組合せ構造 |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続き、代数体のイデアル類群の可除性に関する研究として、p=2に関する岩澤不変量がすべて零となる実アーベル2-拡大体の特徴付けに関する研究を行った。基本的な特徴付けはすでに昨年度の研究で得られていたが、今年度の研究ではすべての実アーベル2-拡大体を具体的に書き下す試みを行った。これは、特徴付けを満足するすべての実アーベル2-拡大体を円分体の部分体として一意的にわかる形で表示しようというもので、計算上の困難は伴ったものの、所要を満足するすべての体を具体的に書き下すことに成功した。この研究は東京電機大学の山本現との共同研究として作業を実施し、その概要は雑誌Trends in Mathmaticsに発表したが、複雑な計算を伴うため、詳細な論文はすべてのリストを再チェック後に作成の予定である。以上の研究は、スペインのマドリッドで8月に開催された国際数学者会議ICM2006でのポスターセッションでも成果発表を行ったほか、10月開催の第2回室蘭数論研究集会においても講演発表を行った。本研究で実アーベル体を扱ったのはGreenberg予想が念頭にあったためでもあるが、今回リストアップした実アーベル体はp=2に関してGreenberg予想を満足する総実代数体の具体例となる。また、ここで開発した手法は中心拡大体やgenus体のGalois群の一般論を用いるものであるため、実アーベル体ばかりでなく、虚なアーベル体についても適応可能な手法であった。そこで、p=2に関する岩澤不変量がすべて零となる虚なアーベル2-拡大体の決定問題についても考察を行った。また、研究分担者の宗政氏は情報通信に応用できると考えれれるdifference system setsと呼ばれる組合せ構造の例を構成した。さらに、仙台数論及び組合せ論小研究集会の開催を通し、数論と組合せ論間の橋渡しを行い、いくつかの問題についてその研究進展のサポートも行った。
|
Research Products
(3 results)