2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540057
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
関川 浩永 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60018661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
印南 信宏 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20160145)
長谷川 敬三 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (00208480)
松下 泰雄 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (90144336)
橋本 英哉 名城大学, 理工学部, 教授 (60218419)
|
Keywords | Almost complex structure / Almost Kaehler manifold / Einstein manifold / Solvable group / Benson-Gordon予想 / Six dimensional sphere / J-holomorphic curve / Walker manifold |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続き、概複素構造にかかわる諸問題のなかで主として次ぎの話題について研究した。 (1)概複素構造の積分可能性について (2)概複素多様体の各種部分多様体について (3)上記(1)と(2)の関連および応用について (1)に関しては、「Goldberg予想」を中心に研究をおこなった。「Goldberg予想」はスカラー曲率が非負の場合は正しいことが本研究代表者によってすでに示されているが、負の場合は未だに未解決のままである。コンパクトの仮定を除いた場合はいくつかの反例が構成されている。リッチ平坦なものの例はNurowski-Przanowskiによって、さらに、非コンパクト、完備(実は等質的)でスカラー曲率が負のものとしては、Apostolov等によって得られている。また、不定値計量の場合(ここでは、あるNeutralなWalker計量)については、分担者松下等により8次元の反例が構成されている。予想そのものについては、研究代表者による積分公式を利用して1つの変分問題を考え、そのEuler-Lagrange方程式を導いている。目下この方程式をもとにして、4次元の場合の予想の解決を目指しているところである。(2)に関しては、分担者橋本等によって、6次元球面S^6内の(測地点をもたない)あるJ-正則曲線の第二法空間の方向におけるチューブ(半径をγとする)として表される3次元V_κ-部分多様体M(κ,γ)(κは|κ|≦1なるある複素数)を分類している。結果として、与えられたJ-正則曲線が超極小でγ=π/2またはarccos(√5/3)のとき、対応するM(κ,γ)が全実であることをしめしており、さらにそのなかにはEjiriによる例も含まれていることを示している。 (3)に関しては、上述のApostolov等の得た非ケーラー、等質概ケーラー・アインシュタイン例(それらはすべてある可解リー群)のなかで、特に6次元のものをとりあげ、その幾何学的構造について考察している。さらに、研究代表者の積分公式の応用として、その例の基礎可解リー群はコンパクトな格子をもたないというすでに知られた結果ではあるがこの事実に対する別証明を与えている。また、分担者長谷川は、Benson-Gordonの予想「コンパクト完全可解多様体に入るケーラー構造は複素トーラスに限る」を含む最も一般な形の「一般予想」を解決している。
|
Research Products
(5 results)