2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上 正明 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80134443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 道彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60254231)
今西 英器 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025411)
西和田 公正 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60093291)
加藤 信一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90114438)
山内 正敏 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30022651)
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Keywords | 4次元多様体 / 幾何構造 / ザイフェルト多様体 / ホモロジー球面 / Seiberg-Witten理論 / Fukumoto-Furuta不変量 / デーン手術 / 双曲構造 |
Research Abstract |
研究代表者の上は3,4次元多様体の幾何構造の存在がもたらす微分同相類への制限を種々の不変量,特にSeiberg-Witten理論に由来する不変量に関する研究を継続した.3次元有理ホモロジー球面とその上のスピン構造の組に対するFnkumoto-Fnruta不変量を考察し,これがザイフェルト有理ホモロジー球面の場合はNeumann-Siebenmann不変量と呼ばれる不変量と一致すること,さらにそれがスピンホモロジーコボルディズム不変であることを示した,これは以前の整係数のホモロジー球面であるザイフェルト多様体に関する結果の拡張であり.種々の応用を持つ.一例として3次元ザイフェルト多様体が3次元球面の結び目のデーン手術で表されるための条件をNeumann-Siebenmann不変量を用いて表し,実際に結び目のデーン手術で表せないザイフェルト多様体の例を組織的に指摘した.また3次元ザイフェルト多様体が交叉形式負定値の4次元多様体を境界に持つとき,その交叉形式の階数をNeumann-Siebenmann不変量に関する不等式で評価することが可能となった.近年Ozsvath-SzaboのHeegaard Floerホモロジーおよびそれに由来する不変量を用いたデーン手術や交叉形式が負定値の境界付き4次元多様体に関する種々の結果が知られているが,上記の結果はこれらとは独立である.ただしFukumoto-Furuta不変量とHeegaard Floerホモロジー由来の不変量との間には何らかの間接的な関係があることが期待されるが,両者の理論的関係は未解明であり,それを探ることが次の課題となっている. また研究分担者の藤井は8の字補空間の双曲構造の変形空間としての楕円曲線に対し,その楕円曲線上の有限位数の点と双曲構造の退化で生じる幾何構造が対応することを発見した.研究分担者の西和田はガウスが自ら「最もエレガントな定理」と呼んだ命題を取り上げ,彼のモデュラー関数研究などとの対比でその位置づけを考察した.また今西,宇敷,加藤,山内はそれぞれ葉層構造,力学系,代数群の表現論,保型形式の研究を継続した
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