2004 Fiscal Year Annual Research Report
結び目および多様体の不変量として現れる保型形式と一般デデキント和に関する研究
Project/Area Number |
16540081
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
福原 真二 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20011687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 治子 津田塾大学, 数学計算機科学研究所, 研究員 (40266276)
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Keywords | 位相不変量 / 保型形式 / デデキント和 / 結び目 / 絡み目 / 多様体 |
Research Abstract |
研究代表者は、結び目や多様体の不変量として出現する数論的関数に注目して、その性質を研究してきた。特に古典的デデキント和やアポストルによる一般デデキント和が不変量にどのように関わるかを調べてきた。その結果、これらの和はその相互法則が多項式で表せる時が、特に重要であることが解ってきた。そこで多項式相互法則を持つ一般デデキント和にはいかなるものがあるかを主要テーマとし、研究に取り組んできた。その結果、このような一般デデキント和の具体的表示を求めることに成功した。結果は論文「Dedekind symbols with reciprocity laws, Shinji Fukuhara, Math. Ann. 329(2004),315-334」に発表した。 次に、アポストルの一般デデキント和をその古典極限に持つような楕円デデキント和の構成を目指した研究を行った。アポストルの一般デデキント和が余接関数の持つ特殊な関数等式の反映であることに注目し、楕円版においては、ワイエルシュトラウスのゼータ関数が古典版の余接関数に相当するであろうと考えた。さらに由井典子氏の協力のもとに、最終的な相互法則の公式を完成させることができた。それらの結果は論文「Elliptic Apostol sums and their reciprocity laws, Shinji Fukuhara and Noriko Yui, Trans. Amer. Math. Soc. 356(2004),4237-4254」にまとめ発表した。 研究分担者は、結び目の不変量が局所変形でどう変化するかを、主に研究してきた。その結果、ブラニアン結び目と呼ばれる興味ある結び目のクラスに対して、その表示法と局所変形による特徴づけを発見した。低次元多様体の研究集会において発表を行い、また論文を取りまとめ中である。
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Research Products
(2 results)