2006 Fiscal Year Annual Research Report
結び目および多様体の不変量として現れる保型形式と一般デデキント和に関する研究
Project/Area Number |
16540081
|
Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
福原 真二 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20011687)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 治子 津田塾大学, 数学計算機科学研究所, 研究員 (40266276)
|
Keywords | 位相不変量 / 多様体 / 結び目 / デデキント和 / 尖点形式 / 保型形式 / 周期多項式 |
Research Abstract |
研究代表者は現在、古典的デデキント和から発展してきた一般デデキント和と3次元多様体あるいは結び目の位相不変量との関連を研究している。その過程で一般デデキント和にヘッケ作用と呼ばれる自然な作用が定義できることを発見した。その詳細を論文「Hecke operators on weighted Dedekind symbols, J. reine angew. Math.593(2006)1-29」に発表した。 一般デデキント和は、保型形式(尖点形式)およびその周期多項式と自然な1対1対応をもつことが知られている。ところで、この三者のうち保型形式およびその周期多項式に対しては、従来からヘッケ作用が知られており重要な役割を果たしていた。今回、一般デデキント和にもヘッケ作用が存在し、しかも保型形式およびその周期多項式に対するヘッケ作用と可換であることを示すことが出来た。その結果の系として、具体的に表すことがむずかしとされてきた保型形式のヘッケ作用を明示的に表示することに成功した。実際、代表者の公式はヘッケ行列をベルヌーイ数と約数関数を用いて表すものであり、極めて初等的である。これらの結果は論文「Explicit formulas for Hecke operators on cusp forms, Dedekind symbols and period polynomials, J. reine angew. Math.(印刷中)」に発表された。さらに、合同部分群の場合に公式を拡張するため、Yifan Yang氏と共同研究を進めており、共著論文「Period polynomials and explicit formulas for Hecke operators on Gamma_O(2)(preprint)」にまとめられた。 研究分担者は、ブラニアン絡み目の不変量と局所変形の関係を研究してきた。その結果をAkira Yasuharaとの共著論文「Classification of n-component Brunnian links up to C_n-move, Topology Appl.153(2006)1643-1650」において発表した。
|
Research Products
(3 results)